排泄介助について✰✰

トイレ

10月もそろそろ終わり・・・ 早いですね・・・
時には、真面目なブログを更新!! 笑

今回は「排泄」をテーマにしてみました!
少しでも参考になれば\(^o^)/

お年寄りの排泄介助で気をつけるポイントとは~

人は年齢を重ねてくると、日常生活の中で問題となるのが排泄行為だと思います。

身体面でも、「トイレに行きたいのに、足が不自由で間に合わない・・・」「知らない間に失禁してしまっている・・・」等、様々な悩みを抱えている方も多いはずです。

精神面でも、「誰かの力を借りるのは、恥ずかしい、情けない、下の世話にはなりたくない・・・」「失禁してしまうから、外には出れない・・・」等、排泄が原因で閉じこもりになってしまったり、人と会う事を避けたりするケースも多く見られます。

その結果、足腰が弱くなり、歩行が難しくなったり、家に閉じこもりがちになり人との会話が減り、認知症状が出てきたりというマイナスな事が多くなってしまいます。

いくつになっても、誰でも排泄は人の力を借りず、自分で行いたいはず。その気持を大切にし、介助する側も工夫することで、自立した排泄が可能となってきます。ここではいくつか「自立への排泄」のポイントをあげてみましたので、参考にして頂ければと思います。

人間としての尊厳を持つこと

年齢を重ねてくると、排泄に関わる機能が低下したり、薬の副作用、既往症の二次障害、加齢に伴う生理的機能の低下等、これは、誰もが経験する自然な流れです。しかし、自然な流れといっても、失禁することはかなり抵抗があるもの。

失禁がもたらす弊害

「失禁してしまった自分自身を受け入れられない・・・」「失禁しているのを他の人にバレたくない・・・」「オムツをしたりするのは嫌だ・・・」という心理面にも影響してきます。

自分の意思で伝えられれば良いですが、認知症等などで自分の意思を上手く伝えられない人は、「失禁した下着類を洗面台で洗う」「汚れた下着をタンスに隠す」排泄に関して、とても敏感で急に暴力的になる等、違った形で表現したり、行動を取ることがあります。

これは、認知症状が酷いからではないですよね、良く間違った捉え方をするケースがありますが、問題行動ではなく、人間として当たり前の事ですよね、上手く表現出来ないだけです。

「例」
失禁した下着をタンスに隠す

介護者「なんで、汚れたものをまたタンスに入れてしまうの・・・ 汚れているなら洗濯機に入れなきゃダメじゃない!」

これでは、余計失禁してしまうことの相談も出来ませんし、排泄に関してトラウマになってしまいますよね。
失禁した下着を隠す=恥ずかしい・・バレたくない・・という気持ちをくみ取ってあげましょう。

むやみやたらに行動を注意するのではなく、なぜ、このような行動を取るのか考え、言葉のかけ方に十分配慮しながら、自尊心を傷つけないようにしていきましょう。

排泄は介護する問題にとってもとても大きな役割を担っています。排泄の失敗から、社会活動への参加意識の低下や、生活意欲の低下、精神的なダメージが強い為、閉じこもりがちになってしまったり、鬱状態になってしまったり、自らの存在価値を否定したりすることもあります。

排泄に関しては、とてもナーバスな部分ですので、いかに介護者側が、その本当の思い、気持ちをくみ取って上がられるかがポイントとなり、心理的なケアも考慮していく事が大切です。

自立した排泄介助

当たり前の事ですが、「最期まで自分の力でしたい。」という気持ちが大切です。介護者もその思いをしっかり考慮して、色々な工夫と知識を持って援助を行いましょう。

排泄の障害となるもの

失禁

高齢になると様々な機能が低下し、排泄機能の調整が上手く出来ずに、自分の意思ではなく、尿や便をしようと思わない時や場所で不本意に尿や便が出てしまい、衛生面、社会的低下の問題になる状態を言います。

頻尿

排泄回数は、人によって個人差がありますが、一日平均して6~8回くらいです。排泄回数が正常より多い場合を「頻尿」と言います。

残尿

尿が出きってない感じ、残っている感じがあるという症状です。実際には尿が残っていることは少なく、尿を出す為の膀胱も正常と言えることが多いみたいです。

安易にオムツを使用しない事

オムツを使用するのは、自分の力で排泄が出来なくなった最終手段として考えて下さい。介護者の都合で安易にオムツを使用することはやめましょう。

安易にオムツを使用することでの問題点

尿意、便意を伝える神経作用が鈍くなり、脳の活性化を妨げます。次第に尿意、便意もなくなってしまい、最悪の状態では、トイレですることすらわからなくなってしまいます。

オムツをつけている自分がなかなか受け入れられず、外出するという意欲が低下してしまい、閉じこもりがちになってしまう。

オムツを使用することで、皮膚にも影響が出てきます。常に湿潤し、清潔な状態が保てません。皮膚の発赤や褥瘡になってしまう場合もあります。

自立に向けてトイレの環境を整える

トイレの環境を整えるだけで、自立した排泄が可能になります。安全で使いやすいトイレにするポイントを紹介致します。(大がかりな工事が必要な場合もあります。)

出入口のドア

出入口のドアを開き戸から引き戸に変更する。開き戸だと、開けるときに自分の身体をよけながら開けることが多いので、身体が不安定になってしまいます。また、開き戸のドアノブは麻痺があったり、指先に力が入らない方には開けにくいです。引き戸に変更することで段差もなくなり、開けやすくなることで、トイレに入る動作が楽になります。

センサー照明をつけよう

夜間トイレに行くと、暗くて足元が見えないため、とても危険です。人感センサー照明を取り付けましょう。センサー照明の場合は一定の時間が経てば、自動で消えるので消し忘れることもないので安全です。

こちらの商品はシャープから販売している消臭機能も付いている人感センサー照明です。一石二鳥ですね。
http://www.sharp.co.jp/pcig/feature/toilet.html

床材は滑りにくいものにしましょう

手洗いの水がこぼれたり、汚れてしまったりした床材は滑りやすいので注意しましょう。また、トイレ用のマットも足を引っ掛けて転倒の原因になります。スリッパも履き脱ぎしていると転倒の原因になるので注意しましょう。

手すりを付けましょう

トイレ内での転倒事故が最も多いのは、排泄動作のしゃがむ、立ち上がるという動作時にバランスを崩してしまうことです。手すりがあることで動作がスムーズになったり、転倒事故が減ります。トイレ内の改修工事で最も多い工事は手すりの取付けです。

手すりの中でも、しゃがむ、立ち上がるという上下動作なので、たて手すりやL型の手すりが有効的です。
たて手すりの部分は便器の先端から200~300ミリ程度前方が使いやすいと言われています。
よこ手すり部分は座面から230~300ミリ程度の長さが使いやすいと言われています。

手すりが便座に近いと、立ち上がった時に手の位置が後ろになってしまい、逆に変な体制になってしまいバランスを崩してしまう場合もあります。
立ち上がった姿勢で身体の前方に手すりが位置するように、取り付けるようにしましょう。

また、便座から手すりが遠くなる程、身体の重心移動を利用して立ち上がるので立ちやすくなります。

よこ手すりの場合は以下のポイントに気をつけましょう。

便器の先端から壁までは400ミリ程度の距離がないと、スペースに問題があり使用しにくい場合もあります。
手すりの位置が低いと、前かがみになる時壁に頭をぶつけやすくなってしまいます。
男性が立って用を足すときに、丁度腰部分にあたってしまうこともあるので注意しましょう。

手すりの長さ、位置はあくまでも使う方の身体状況、体型、身長によって異なります。必ず本人が位置等を試して使いやすい位置、高さ、長さ、種類を取り付けましょう。

和式から様式便器に交換しましょう

高齢者にとって和式便器はかなり身体に負担がかかります。しゃがむ、立ち上がる時に身体のバランスを崩して転倒するケースが多いです。
様式便器に交換出来ない場合は、和式便器にかぶせるだけで、様式トイレになるものもあります。

http://caretaro.com/shopbrand/114/011/Y/price

参考にしてみてください。

トイレ内のスペースを広くしましょう

バランスを崩して転倒してしまったりした場合、トイレ内が狭いと身動きがとれない状態になってしまいます。また、介助者の入るスペースもなくなってしまいます。

出来るだけ、広い空間を確保しましょう。

温水洗浄便座(ウオシュレット)・便器洗浄付きを取り付けましょう

お水を流す動作も、一苦労・・・・お尻を拭く動作も一苦労・・・・・

温水洗浄便座にして、便器洗浄付き壁掛けリモコンを取り付けることで、身体への負担も少しは軽減されることがあります。

http://www.toto.co.jp/products/toilet/washlet.htm

参考にしてみてください。

トイレ内の温度に気をつけましょう

急激な温度差は心臓への負担も大きく、最悪の場合は死亡事故に繋がるケースもあります。トイレ内に暖房(トイレヒーター)を置く等の工夫をしましょう。

http://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%E7%94%A8%E6%9A%96%E6%88%BF/-/?scid=s_kwo_2014app_00&lsid=006539

色々な商品が出ていますので、参考にしてみてください。火事等の心配もありますので、人感センサー付きのものが良いですね。

介護保険を利用しましょう

今まで紹介させて頂きました、「自立に向けての排泄環境」ですが全てを購入、自費での大がかりな工事を行ったら、かなりの金額がかかってしまう事もあります。

そこで、介護保険を上手く利用しましょう。

介護認定を受けていない方は、「介護保険申請の手続きの流れ」を確認して下さい。
介護認定を受けて、介護度がついている方は、担当のケアマネージャーさんに相談してみて下さい。

生活環境を整えるサービスが利用できます。

福祉用具貸与

日常生活の自立を助けるための福祉用具が貸与(借り)トイレ用の工事不要の手すりがありますので、担当のケアマネージャーさんに相談しましょう。

貸与に関しては、各業者によって金額が異なりますが、自己負担は貸与金額の1割となります。

福祉用具購入

貸与になじまない排泄や入浴などに使用する福祉用具の購入が出来ます。利用限度額は10万円までです。毎年4月1日から3月31日までの一年間を一つの単位として年度が変わると新たな利用が認められます。購入費は一旦全額負担した後に、福祉用具購入費の支給をお住まいの市町村に申請し、適切として認められた場合は、その支給を受ける「償還払い制度」があります。

申請の方法・必要な物

①申請書の作成(区役所保険年金課にて配布)
②福祉用具購入費の領収書
③福祉用具のパンフレット、福祉用具が必要である理由がわかるもの(申請書の記載、理由書、居宅サービス計画、福祉用具販売計画のいずれかを提出)
④印鑑
⑤ご本人様の金融機関口座

申請した2~3ヶ月後にご本人様の口座に福祉用具購入費として保険給付費が振り込まれます。

「償還払い制度」=一旦全額支払い、申請し後から9割戻ってくる制度

10万円を超える場合は全額自己負担となりますので、注意して下さい。

住宅改修

自宅で生活が続けられるように住宅の改修を行います。福祉用具購入と同様、償還払い制度で利用出来ます。
住宅改修の場合は利用限度額は20万までです。

申請方法・必要な物

「工事前」
①申請書(区役所保険年金課にて配布)
②見積書及び見積額内訳書
③住宅改修が必要な理由書(ケアマネージャーが作成)
④工事施工前の写真
⑤住宅改修後の完成予定図
⑥住宅改修に関する承諾書及び賃貸契約書の写し

「工事完了後」
①領収書及び工事内訳書
②改修ごの写真

工事を始める前に、申請書類を揃えて区役所保険年金課に申請します。保険年金課より発行される「住宅改修に関するお知らせ」を受け取った後に工事を開始します。
工事完了後、一旦費用の全額を事業者に支払った後、領収書等必要な書類を添えて区役所保険年金課に提出し、保険給付分の払い戻しを受けます。

自立した排泄を可能にするために、住宅改修の対象となる工事は、
①手すりの取付け
②段差又は傾斜の解消
③滑りの防止及び移動の円滑化等のための床の材料の変更
④引き戸などへの扉の取り替え
⑤和式便器などから洋式便器への便器の取り替え

住宅改修は大がかりな工事になったり、金額も高額になるものもありますので、必ず担当のケアマネージャーさんに相談して下さい。

まとめ

歳を重ねても、やはり排泄は御自分の力で行いたいもの。これは誰もが思う人間としての当たり前の事です。むやみやたらに介護者の都合でオムツにしたり、トイレに行くことを「危ないから」と止めたり、注意したり・・・これは、本人様にとってかなりマイナスな事です。排泄動作だけではなく、全ての事に影響して来てしまいます。そして、本人様の意思で失禁したりしていません。歳を重ねることで起こってしまう事ですので、怒ったりする前にまずはしっかり認識してみて下さい。

自分が相手の立場に立って考えることが一番わかりますよね・・

排泄動作のどこに問題があるのか、そしてその問題によっては排泄の環境、道具を整えるだけで、排泄が御自分の力で出来る可能性があります。

介護保険を利用する事で、金額も安く抑えられるので、上手く介護保険を利用してみて下さい。

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